年末も近づき、ご自宅でゆっくりと過ごされるという方も多いかと思います。
年末年始はおせちやお雑煮、年越しそばなど美味しいものがたくさんあり、とても楽しみにです!
しかし、脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症により飲み込む力(嚥下)が低下していると誤嚥や喉に食べ物を詰まらせることも少なくありません。
特に年末年始は普段食べないものを食べることも少なくないため、注意が必要です。
今回は、どのようなものが食べにくくなり、食べやすくするための工夫や飲み込みの力を付けるためのトレーニング方法についてご紹介していきたいと思います!
目次
嚥下の低下によるリスクとは?
健康な時には食べ物を食べても全く問題ありません。
しかし、脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症による嚥下障害や高齢による嚥下力の低下が起こります。
人の身体は主に『筋肉』で動かされており、食べ物を食べる“口”や飲み込むために使う“喉”も例外ではありません。
食べ物は以下のように胃に送り込まれます。
嚥下をするためには食べ物を口の中でまとめる(舌や口腔内の筋力)
食べ物を喉に送る(舌や喉の筋力)
喉から食道に送る(喉の筋力)
これらの筋力が低下する、もしくは麻痺することによって嚥下が障害されてしまいます。
誤嚥
食べ物が食道に隣接している気管に誤って入ってしまうことで起こります。
食べ物が気管に入ってしまうと気管支の中で炎症を起こしてしまい、肺炎などの疾患を引き起こしてしまいます。(誤嚥性肺炎)
窒息
食べ物が喉に詰まると、気道も一緒に閉塞してしまいます。
気道がふさがることで息を吸い込んだり吐き出したりもできなくなるため窒息してしまいます。
このように嚥下障害は様々なリスクがあるため、注意が必要です。
普段は注意をしていても、年末年始になると特別にいつもと違うものを食べたいと思われる方も多いかと思います。
一番安全なのは食べないようにすることですが、ご家族と一緒の物を食べたい、美味しいものを食べたいと思うことはとても大切なことです。
それぞれの料理や食材などに工夫し、”安全に食べる”ことを考え、食べることを楽しみましょう。
もし食べ物がつまってしまった場合の対処方法
安全に配慮していても喉に詰まってしまうことがあります。
もしもの時のために、対処法をしっかり把握しておきましょう。
背部叩打法
身体を折り曲げた状態で肩甲骨の間を掌の基部で力強く叩きます。
腹部突き上げ法
みぞおち付近で握りこぶしを作り、反対の手で包むように持ちます。
素早く手前上方に突き上げます。
注意が必要な食べ物と対策方法
餅
餅は粘着性が高く、喉や食道に詰まりやすい食べ物です。
また一度詰まってしまうと粘着性の高さ故、吐き出すことが難しい食べ物でもあります。
特に、年末年始は餅を食べる機会も多くなることもあり、窒息事故が多発しているようです。
安全に食べられるように注意しましょう。
対策方法
小さく切る。
⇒一度に食べる量を調整し、喉に詰まりにくくします。
また小さく切ることでかみ砕きやすく、窒息や誤嚥を防ぎましょう。
スープやだし汁で柔らかくしてから提供する。
⇒口の中が乾燥していると飲み込みがしにくくなります。
一度口の中を潤してから飲み込むことも大切です。
汁物などの水分で口の中を潤しながら飲み込みをすることで誤嚥を防ぎましょう。
介護食用の餅を食べる
⇒市販の介護食の中に嚥下食用のお餅などが販売されています。
介護食などで安全に食べられるようなもので代用することも検討しましょう。
そばなどの麺類
麺はツルツルと滑りやすく、喉に入るタイミングをコントロールしにくく、誤嚥に繋がりやすくなります。
また長い麺を切らずに飲み込むことで喉に詰まる危険性があります。
対策方法
麺を短く切る
⇒麺類をすするときに誤嚥が起きやすいため、すすることを防いだり、一度に口の中に入る量を少なくするために面をあらかじめ短めにしておきましょう。
スープにとろみを加える
⇒サラサラの汁は誤嚥に繋がりやすく、特にすする動作が加わることでさらに誤嚥しや
すくなります。
汁に市販のとろみ剤やでんぷん(片栗粉)などでとろみをつけた汁にすることで飲み
みやすくなるように工夫しましょう。
そばがきやそば団子などで代替する。
⇒麺類は誤嚥しやし食べ物であるため、その他のそば粉を使用した食べ物で代用する手
段も検討しておきましょう。
その他にも飲み込みにくいものなどはあります。
嚥下を補助するための手段としては以下のような方法があります。
刻み食: 細かく刻んで嚥下しやすい大きさに調整しましょう。
とろみ食: 水分を含む料理にはとろみ剤やでんぷんなどを加え、とろみをつけましょう。
ペースト食: ミキサーで滑らかなペースト状に加工しましょう。
代替食材: 餅やかまぼこの代わりに豆腐や柔らかい食べ物で代替しましょう。
嚥下体操
最初にお伝えしたように、飲み込みに必要なのは、嚥下に使う“筋力”です。
“筋力”は使わなければ衰えますし、徐々に使えなくなっていきます。
飲み込みにくいからと言って食べるものを減らしたりするのではなく、安全に行える方法で鍛えていくようにしましょう。
舌押しトレーニング
口の中で食べ物をまとめたり、喉に送り込むためにひるような筋力をつけるトレーニングです。
【方法】
スプーンや手袋を履いて準備します
口元にスプーンや手袋を履いた指を当てます
舌を出してスプーンや指で軽く押し返します。
10秒間押した状態をキープします。
【回数】
10秒×3セット
シャキアトレーニング
飲み込みの際に必要になる喉の蠕動運動を鍛えるためのトレーニングです。
食べ物を食道に送り込むためにも必要な筋肉なのでしっかりと鍛えましょう。
【方法】
仰向けになります
両肩を付けたまま頭だけを持ち上げます
つま先を見つめる姿勢を1分間保持します
※1分間が難しい場合、20秒、30秒とできる秒数で行いましょう。
【回数】
3セット
今回ご紹介したのは少しの工夫方法と飲み込みに必要な一部のトレーニング方法になります。
お身体の状態に合わせ、食べても大丈夫な食材や料理などはかかりつけの医師や言語聴覚士、作業療法士などに相談してから食べるようにしましょう。
また、お身体にあったトレーニング方法などについては、専門家(言語聴覚士、理学療法士、作業療法士等)に相談し決めるようにしましょう。
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