家の中や屋外、どこに行くにしても『歩く』ことは必要になると思います。
今回は『歩く』ことに焦点を当てて、脳卒中(脳梗塞/脳出血)になるとどうして歩きにくくなるのか、どうやったら歩き方がよくなるのかを【歩くことの基本】と【良い歩き方にするための自主トレ方法】の2部に分けてご説明していきたいと思います。
今回は【いい歩き方にするための自主トレの方法】についてご紹介していきたいと思います。
目次
脳梗塞の後遺症があるとなぜ歩くのが難しくなるのか?
まず、前回のブログでもご紹介しましたが、歩く時には【歩行周期】があり、歩行周期がスムーズにいくことでエネルギーや負担が減少し、推進力を得ることができます。
歩くときには最小のエネルギーで歩くことが大切ですが、筋肉は無意識の中でもしっかりと動いています。
歩くときに使う筋肉として
大殿筋
中殿筋
ハムストリングス
大腿四頭筋
前脛骨筋
下腿三頭筋
腸腰筋
が主に作用します。
しかし、脳梗塞になるとこれらの筋肉を使って歩くことが難しくなります。
理由としては、以前の【姿勢改善!脳梗塞後遺症の重症度別自主トレーニング方法】の中でもご紹介した運動麻痺のパターンによるところがあります。
運動麻痺のパターンとしては
完全麻痺(弛緩性麻痺):全く動かせない、力が全く入らない。
不全麻痺:動きはするが思っているように細かく動かせない。
痙性麻痺:勝手に力が入ってしまい、力加減を制御できない。
この中の不全麻痺、痙性麻痺ではさらに
〇共同運動パターン
決まった運動のパターンに従い体が動いてしまう。
1つの筋肉だけを動かすことができず動きがパターン化してしまう。
〇連合運動反応
1つの関節運動の動きに伴い、他の関節も運動に伴い反応し動いてしまう。
などの症状がみられるようになります。
歩く時には足首と股関節は曲げる方向に動かすが膝は伸ばしたままの状態であったり、股関節は動かすが、膝から下は脱力している必要があったりと動きが複雑になります。
しかし脳梗塞の後遺症などによる運動麻痺があると、連合運動反応や共同運動パターンにより各関節の動きをコントロールしたり、力を抜くところと入れるところを使い分けることが難しくなるため、歩くのが難しくなってしまうのです。
そのため、お身体の状態にあわせて、段階的にトレーニングをしていくことが大切になります。
次の項目では重症度の見分け方と重症度別トレーニング方法についてご紹介していきたいと思います。
重症度の見分け方
重症度別に自主トレーニング方法についてご紹介する前に、まずはお身体の状態がどの段階にあるのかを確認していく必要があります。
特に歩くためには足の動きが重要になるため、今回は足の動きを細かく分け、重症度を確認していきます。
テスト1
仰向けになる
麻痺側の膝を90°より曲げた状態にする
麻痺側の足の力だけで伸ばす
可能⇒次のテストへ
不可能⇒重度
テスト2
仰向けになる
麻痺側の足をお腹に向けて持ち上げる
お尻の位置よりお腹に近い位置まで膝を上げる
可能⇒次のテストへ
不可能⇒中等度
テスト3
椅子に座る
麻痺側の足を真っすぐに伸ばす
足首を自分の方に向け動かす
可能⇒軽度
不可能⇒中等度
重症度別自主トレーニング方法
!!自主トレーニングは転倒に十分注意して行うようにしてください!!
重度
体重を乗せる
【方法】
手すりにつかまりながら立ちます
少しずつ麻痺側の足に体重を乗せていきます
元の姿勢に戻れる範囲で体重移動を繰り返します
※装具などを使用している方は装具を着用して行いましょう
膝の曲げ伸ばし運動
【方法】
背もたれなどがある椅子に座ります
健側の足で麻痺側の足を後ろに押し込みます
健側の足で麻痺側の足を前に出します
動かすときに麻痺側の足を動かすことをしっかりと意識しましょう
中等度
ボール挟み
【方法】
仰向けになります
両膝の間にボールを挟みます
ボールをつぶすように足の内側に力を入れます
※ボールをつぶしている間に麻痺側の足が伸びないように注意しましょう
足首運動
【方法】
椅子に座ります
麻痺側の足を軽く伸ばします
麻痺側の足の甲にタオルやベルトを巻きます
足首を自分の方に向け倒すように意識しながらタオルやベルトを引きます
※なるべく足の力だけで動かすように意識しましょう
足上げ運動
【方法】
椅子に座ります
足を天井に向け真っすぐに持ち上げます
ボール転がし
【方法】
椅子に座ります
足の下にボールを入れます
ボールが真っすぐに動くように転がします
軽度
足振り運動
【方法】
手すりや壁に軽く持たれながら立ちます
足を前後にゆっくりと振ります
※足を振るときに体は前後しないように注意しましょう
足首運動
【方法】
手すりや壁に軽く持たれながら立ちます
麻痺側の足首を自分に向けて持ち上げます
※足首を動かすときに膝や股関節が動かないように注意しましょう
ステップ練習
【方法】
手すりや壁に軽く持たれながら立ちます
麻痺側の足を軸にし、健側の足を前後に一歩踏み出します
今回ご紹介したトレーニング以外にも方法はありますが、お身体の状態に合わせて行っていく必要があります。
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